労災保険と雇用保険とを総称した言葉であり、保険給付は両保険で別個に行われていますが、労働保険料の徴収等については、両保険は労働保険として、原則的に、一体のものとして取り扱われています。 労働保険は、農林水産の事業の一部を除き、労働者を1人でも雇っていれば、その事業主は加入手続を行い、労働保険料を納付しなければならないことになっています。
労働者が業務上の事由または通勤が原因で負傷した場合、病気になった場合、あるいは不幸にも死亡された場合に被災労働者や遺族を保護するため必要な保険給付を行うものです。
労働者が失業した場合や労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に、労働者の生活や雇用の安定を図るとともに、再就職を促進するための必要な給付を行うものです。
労働保険の適用事業となった場合には、労働保険の保険関係成立届を所轄の労働基準監督署または公共職業安定所(ハローワーク)に提出しなければなりません。その後、当該年度分の労働保険料(保険関係が成立した日からその年度の末日までに労働者に支払う賃金の総額の見込額に保険料率を乗じて得た額)を概算保険料として申告・納付することとなります。
雇用保険の適用事業となった場合は、上記のほかに、雇用保険適用事業所設置届および雇用保険被保険者資格取得届を所轄の公共職業安定所(ハローワーク)に提出しなければなりません。
行政官庁による事業主への労働保険加入手続きおよび、労働保険料の決定(認定決定)が行われます。
事業主の委託を受けて「労働保険」の事務処理を行います。
労働保険事務組合は、事業主から委託された労働保険事務の処理を行うために、都道府県労働局長の認可を受けた場合に呼称される名称です。
事業主団体が労働保険事務組合としての業務を行うには、厚生労働大臣の認可が必要です。
労働保険事務組合は、政府への労働保険料の申告・納付、各種届け等を委託事業主に代わって行います。
その団体の構成員以外の事業主であっても、労働保険事務組合に委託が必要であると認められるものは、これに準じて扱われます。
中小企業の事業主が労働保険事務組合に事務の委託をして労働保険に加入することは、政府(厚生労働省)が推奨しています。
事業主の労働保険事務の省略化・軽減化が図れます。
事業主及び家族従業者(専従者)も労災保険に特別加入できます。
保険料の多少にかかわらず、保険料を年3回に分割・納付できます。
労働保険事務の処理を委託する労働保険事務組合が、全国労保連の会員の場合には、全国労保連が実施する事業主及び労働者の福祉のための各種事業に参加できます。
なお、全国の労働保険事務組合の約8割が全国労保連の会員となっています。